弊社がまず注目したのが病院での説明業務です。
患者様一人に対して医療従事者が接する時間は構造的に減る傾向にあるのに対し、説明業務はより丁寧に行う必要に迫られています。これらの問題点を解決できるのが、エモーショナルな表情や仕草で温もりを感じられるロボットであると考え、ロボットを動かすプラットフォーム「パラメディS」を開発しました。
パラメディSは、主に病院施設における受付や問診、また検査前や手術前の説明など、医療現場においてルーティン化された案内を代行するプラットフォームです。
この「パラメディS」は、他社が製造したコミュニケーションロボットに搭載され、既に国内31の医療施設に導入されています。
今年に入ってからは業務の効率化に加え、対人オペレーションが削減されることで、患者様及び医療従事者の新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えられる点もご評価いただいています。
『パラメディS』は国内発売されている主要な6種類のロボットに搭載可能な唯一無二のシステムだと自負しています。保守的な医療業界に、これだけのロボット導入実績を保有していることや、人(特に高齢者)に受け入れられるアプリケーションを開発できた背景には、メンバーの臨床心理学の知見や医療業界に長く携わった経験が反映された結果だと考えています。
また、この「パラメディS」は、電子カルテとの連携機能を持ち、プラットフォームを経由して各種ロボットと接続が可能です。これによって、電子カルテへの情報の転記の手間を省けたり、それぞれの患者様に必要な案内や説明を代行させたりすることも可能となっております。
白内障手術を行う場合、そもそも白内障とはどんな傷病なのか、手術はどんな手法があるのか、手術前・中・後の注意点、意思確認及び承諾事項への同意、挿入する眼内レンズの説明、費用の説明、検査の説明、手術後に再度注意点の説明、等々…様々な説明業務が発生します。全て人が行うと、合計90分を超える業務量です。
そこで「パラメディS」を導入することで約1/3の13分に短縮することができました。(既に導入済みの眼科医院によるデータであり、数値は状況によって異なります)。
この様に、ロボットに代行できる業務を「パラメディS」が請け負うことで、医療従事者が説明業務に費やす時間を削減することができるのです。
子高齢化の課題は一部の人の問題ではなく、社会全体で取り組んでいかないといけない課題です。少子高齢化など社会における重大な課題にICT技術を使い、解決に向けて貢献するという目標を持って当社を創業しました。
SHANTI(シャンティ)とはサンスクリット語で平和、平安、至福、穏やか、静寂を意味する言葉です。平和で明るい未来を実現するソリューションを提供したいという想いが社名に込められています。
代表取締役社長 矢方 幸子