神奈川県さがみロボット特区実証実験支援事業に採択されました調剤薬局支援ホロレンズシステムの実証実験を行い、当日は多数のメディアの皆様にお越しいただき、記事を掲載いただきました。
今回行われるMixed Reality(ミックスド リアリティ)を活用した調剤薬局支援システムの実証実験は、神奈川県の「さがみロボット産業特区」の平成29年度の取り組みとして、生活支援ロボットの実証実験の企画を全国から募集し、採択された11件のうちのひとつとして行うことになったものです。
同システムは、QRコード等の認識と情報表示機能を搭載したホロレンズと非接触センサー(RFセンサー)を連携させました。このことによって、以下の業務を支援することができます。
1.処方箋確認:処方箋に記載されたQRコードをホロレンズが認識し、調剤すべきタスクが装着者のホロレンズ画面上に表示。
2.棚ナビゲーション:調剤すべき薬がある棚の位置をホロレンズ画面上で緑色の矢印で表示。
3.トレイナビゲーション:調剤すべき薬があるトレイが、ホロレンズ画面上でナビゲーションするマーカーが表示。
4.ピッキング確認:指に装着しているRFリーダーが、トレイから薬を取り出したことを検出し、間違った薬だった場合はアラートが作動する。また、証拠として取り出した薬の写真を撮影。
5.調剤タスク管理:処方された薬全てを調剤したかを、ピッキングリストと処方内容の付き合わせ。
以上のように、実際にピッキングするための行動支援も行っていることから、薬の取り違いを減少させることができます。これらの業務支援により、作業時間の短縮を目指すための実証実験を行います。
ホロレンズを用いた業務支援の実例は世界的に少なく、薬局での利用は国内では初めての試みです(自社調べ)。
<調剤薬局支援システムの構造・機構>
*外形寸法・重量:
ホロレンズ H850mm W1900mm D2650mm 重量 579g
RFセンサー(本体) H19.5mm W50mm D86mm 重量 84g
*動力源:
ホロレンズ リチウムイオン電池 電源2.5A/5.2V
RFセンサー リチウムイオン電池
*操作・操縦方法:
ホロレンズに搭載されたRGBカメラ及びDepthカメラを利用しQRコード認識、空間認識及び指の操作によるジェスチャーの認識。
外部機器との連携: WiFiルーターを介してRFセンサーとホロレンズが通信。RFセンサーで読み取った情報等は、ホロレンズで提供される空間内のディスプレイに必要な情報だけ表示される。
■被験者4人でホロレンズ装着時における調剤作業の効率化を実証
実証実験では、調剤薬局に勤務する薬剤師4名(男女2名ずつ)で行います。実施目的は、機器を装着することで大きな負荷がなく調剤業務ができることの実証です。また、非装着時と比較して、調剤業務が効率的に行われるかどうかも計測します。また検証実施状況は360度録画可能なカメラで録画し、動線や被験者の様子を客観的に分析します。
実証実験での運用面での課題のフィードバックを踏まえ、2018年4月に販売を開始する予定です。
<実証実験実施場所>
あけぼの薬局 辻堂駅前店
神奈川県藤沢市辻堂新町1-2-23 プリメロ湘南1F
*取材を希望される場合は、お問い合わせ先に事前に申し込みをお願いいたします。申し込みが無い取材は、当日お受けできません。